「鯖江市の職員」だからこそ叶えられる働き方とは 【前編】
Vol.2前編

鯖江市役所職員の「仕事」

「鯖江市の職員」だからこそ叶えられる働き方とは 【前編】

鯖江市役所職員の「仕事」

分野も業務内容もまったく違う3人が、鯖江市役所の仕事について語ります。

Profire

  • 竹内 陽一

    市民活躍課

    竹内 陽一

  • 山形 尚輝

    デジタル課

    山形 尚輝

  • 松田光広

    商工観光課

    松田光広

今回の座談会に参加したのは、デジタル推進課、商工観光課、市民活躍課の職員。分野も業務内容もまったく違う3人が、鯖江市役所の仕事について語ります。

TALK 01 鯖江市役所を選んだ理由は何ですか?

Cap:右から竹内、松田、山形

私は2010年に入庁したのですが、当時は公務員の倍率が高くて。入った時はなんとなく市民の役に立てたらいいな…くらいの軽い気持ちだったかもしれません。実際に入庁して最初の3年ぐらいは、まちづくりに積極的に関わる感じではなかったのですが、市民の方と接していると「市民主役」を掲げているだけあって、性別や年齢問わず活動的な方が多いんです。次第にいろんな活動に顔を出すようになっていきました。市役所の環境も、自分のクリエイティブな部分を発揮しやすいなと感じています。

私は鯖江市で生まれ育ったので、仕事で関わる人も知っている人がいいなと思っていました。自分のやったことがすぐに成果になって、身の回りの人たちの役に立ってお金ももらえる。それが仕事の上でやりがいとモチベーションにつながるのではないかと思い、志望しました。

私も鯖江出身で、家族も鯖江に住んでいます。山形さんと同じく、やったことが直接返ってくるのは大きなやりがいですね。あとは私が学生当時、「鯖江市役所JK課」が話題になっていて、自治体なのにすごくチャレンジングだなと思いました。公務員でありながら面白そうなことができるかも、と思ったのも鯖江市役所を選んだ理由の一つです。

TALK 02 市民活躍課の仕事内容を教えてください。

市民活躍課は事務的な業務がメインですが、市民の方に会いに行ったり団体の困り事を聞いたりなど、まちなかに足を運ぶことが多いです。鯖江市では全国に先駆けて「自分たちのまちは自分たちがつくる!」と市民自らが市民主役のまちづくりをすすめています。いろんな先輩方の頑張りで築いてきた「市民主役」の土壌を途絶えさせないように、さまざまな企画やアイデアを常に考えていますね。毎日同じ業務をこなすという感じではなく、常に仕事内容は変わっています。

鯖江市は「市民主役」という言葉が浸透しているのをすごく感じますよね。

「市民主役」という単語を検索してもらうと、鯖江市がほぼ大部分を占めていますが、最近は全国どこの自治体も、「市民が主役」という考えを大事にするようになっています。鯖江市はトップランナーとして、まちに関わる人やまちの中で活動する人を増やしていきたいですね。今年度は初めての試みとして鯖江市で素敵な活動してる市民を市民が推薦して、市民が表彰する「市民主役アワード」を開催しました。

ほかの自治体がやっていないことを始める時は大変ですよね。

そうですね、準備は大変ですが、関わる人たちはみなさん協力的なので困ることはあまりないです。鯖江市はアンテナが高い市民の方も多いので、「ほかの市町でこんなことをやってるらしいよ」とか「こんなイベントに行ってきたけど鯖江でもできるかな」といった話がうちの課に集まってくるんですよ。私たちはあくまで黒子。市民の方にスポットが当たることを意識し、「私も何かやってみたい」という人が出てくるような応援ができればと思っています。

Cap:鯖江市で誕生した市民主役事業の記念Tシャツ

TALK 03 商工観光課ではどんな仕事をしていますか?

所属する商工観光課は名前の通り、商業、工業、観光が事業の主軸になっています。鯖江はめがね・漆器・繊維など、ものづくりが盛んなまち。私はそのなかでも漆器産業を担当しており、企業や工房の活動を支援しています。商工観光課が主催するイベントも多く、その準備に費やすことも多いですね。竹内さんと同じく普段は事務業務が中心ですが、イレギュラーな仕事も多いので日々違う仕事をしている感じです。

時期によっては毎週末イベントが重なる時がありますよね。

そうですね、各地でイベントが重なることも多いので、いつも集客が気になります。企画するだけでなく、いろんな人に鯖江のものづくりを知っていただきたいので、どうすれば多くの人に情報が伝わるか試行錯誤しています。鯖江はサンドームでアーティストのライブを開催することが多く、県外の方も頻繁に鯖江を訪れます。私たちだけの発信では情報が伝わる限界があるので、最近では発信力のあるインフルエンサーを巻き込んでアプローチするなど、今まで鯖江と縁のなかった方にも知っていただけるような取り組みを進めています。

この仕事ならではの難しさを感じることはありますか?

ものづくりや観光分野はこれだけやっていればいいという仕事ではありません。漆器産業でいうと、後継者不足が深刻で、人材の確保が一番の課題です。完成までにいろんな工程があり分業制なので、この工程では職人がいるけど、別の工程の職人は後継者がいないということも多く、商工観光課としてできることは何だろうかと常に考えています。アイデアを出しても百発百中ではないので、まずは事業者さんや職人さんのもとに足を運び、リアルな声を拾うことを大切にしています。そういう意味でも、ただの事務業務にとどまらないのがこの仕事の難しさであり面白さですね。

TALK 04 デジタル推進課の仕事内容を教えてください。

デジタル推進課の山形といいます。名前の通り、パソコン作業が中心の課です。2人と違って、私の仕事は市民よりも市役所内の職員の対応をすることが多いですね。例えば市役所内のパソコン操作がわからない、うまくネットワークがつながらないなど、職員からのさまざまな困りごとに対処しています。市役所の職員はほぼ全員私の名前を知っているんじゃないでしょうか。会ったことのない職員から電話やチャットが入ることも日常茶飯事です(笑)。

山形さんには本当にいつもお世話になっています!コロナ禍でも山形さんは大活躍でしたよね。

3年前はさまざまな自治体がワクチン接種の環境整備に忙殺されていましたが、鯖江市ではワクチン接種のシステムを自前で作ることになり、そのシステム構築を任されたんです。どうすれば現場が混乱せず使いやすいものになるか、ワクチン接種を担当する健康づくり課にヒアリングを重ね、3カ月くらいかけて完成しました。大変な作業でしたが、細かい変更も僕に電話一本かければ反映できるので、外注よりスピーディーに対応できたと思います。

鯖江市は全国でいち早くオープンデータに取り組むなど、ITにも力を入れている印象があります。ITの現場で課題を感じていることはありますか?

日々新しい技術が生まれているので、デジタルが得意な人材を育成するのが目下の課題になっています。私のような役割も必要ですが、職員一人ひとりがITを扱えると業務がよりスピーディーになります。市役所全体で職員のITリテラシーをあげていくことで、日々の業務が少しでも楽になればいいなと思っています。

各々がプロフェッショナルなスキルを発揮していて成り立っている鯖江市役所。

後編では普段の仕事で大切にしていることや今後の抱負について語っていただきます。

【後編に続く】